幼少期の原体験
幼少期から『仮面ライダー』『ウルトラマン』『ゴジラ』などの特撮作品や、アメコミ(『スパイダーマン』等)、そして『ドラゴンボール』や『NARUTO –ナルト–』といった『週刊少年ジャンプ』作品に強く影響を受けました。特に手や異形のデザイン、ヒーローの造形美に対する強いこだわりはこの時期に養われました。
連載開始と二度の打切り
堀越氏は大ヒットに至る前に、連載打切りという厳しい挫折を経験しています。
- 『逢魔ヶ刻動物園』(2010年 – 2011年): 初連載。異形の動物たちが登場するファンタジー作品。独特の世界観と圧倒的な画力で一部ファンから熱狂的な支持を集めるも、短期打切り。
- 『戦星のバルジ』(2012年): 2作目の連載。王道SFスペースファンタジー。緻密な描き込みと重厚な設定で臨むも、約4ヶ月(全16話)で打ち切られる結果となりました。
『僕のヒーローアカデミア』での大ブレイク
- 背水の陣: 2連続の連載打切りにより精神的に追い詰められ、「これでダメなら漫画家を辞める」という覚悟で挑んだのが、自身の原点である読切『僕のヒーロー』をベースにした作品でした。
- 大ヒット: 2014年より『週刊少年ジャンプ』にて『僕のヒーローアカデミア』の連載を開始。爆発的なヒットを記録し、アニメ化・映画化・世界展開を経て、『ジャンプ』を牽引する看板作家となりました(2024年に約10年の連載を経て完結)。
① 圧倒的な画力と「手」「アメコミ」への情熱
- 圧倒的な密度のグラフィック: 緻密な線の重ね方、陰影の表現、白黒のコントラストによる重厚な作画は、同業者や海外のアメコミ作家からも高く評価されています。
- 「手」と「異形」のフェチシズム: 人物の「手」の動きや質感に対する描写に並々ならぬこだわりがあり、死柄木弔の全身を覆う手の造形や、出久(デク)のボロボロになる手足の表現に顕著に現れています。また、怪物や異形キャラクターのデザイン能力の高さも異彩を放ちます。
② 先輩作家への憧れと投稿時代のエピソード
- 『NARUTO –ナルト–』岸本斉史氏との関係: 堀越氏は学生時代、岸本斉史氏の『NARUTO –ナルト–』の大ファンであり、ファンレターやイラストを『ジャンプ』の読者投稿コーナー(『サスケの修業場』)に送っていた過去があります(実際に採用され単行本に掲載された)。
- 後に堀越氏がプロデビューし、『僕のヒーローアカデミア』と『NARUTO –ナルト–』が『ジャンプ』紙面で共演・対談を果たした際、当時の投稿が話題となり「読者から看板作家へと上り詰めた夢の実現例」として有名になりました。
③ 誠実で謙虚な人柄と過酷な連載現場
- 自己評価の慎重さ: 自身のインタビューや単行本の巻末コメントでは極めて謙虚かつ自己批判的な姿勢を見せることが多く、打切り時代の苦悩を忘れない誠実な人柄で知られます。
- 身体を削る執筆スタイル: 徹底的な作画へのこだわりから執筆負荷が非常に高く、連載終盤では体調維持のための休載やページ数の調整を行いながらも、作品のクオリティを最後まで落とさずに完結させました。
